遺言書での相続させると遺贈するの違い

遺言書の作成時に「相続させる」と「遺贈する」という言葉をよく使います。しかし、この言葉の違いをしっかりと意識して使い分けている人は少ないと思います。
今回は「相続させる」と「遺贈する」という言葉の違いを紹介したいと思います。

・「相続させる」とは
特定の財産を法定相続人に「相続させる」という内容の遺言は、遺産分割の方法を設定したということになります。その為、相続が始まった瞬間にその遺産は遺産分割されたことになり、所有権が移転することを意味します。
しかし、特定の財産ではなく「財産の3分の1を相続させる」といった割合で記載された内容であれば、どの遺産が相続されたのか分からない状態なので、相続人間での遺産分割協議が必要となります。

・「遺贈する」とは
「遺贈する」という内容の遺言では、遺言によって財産を無償で譲るという意味となり、譲る相手に特に制限はなく遺言者に関する遺贈義務を相続人全員で引き継ぐことになります。その為、不動産であれば相続人全員ないし遺言執行者の申請によって移転登記手続きを行う必要があります。

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