被相続人は遺言書で自分の指定した人に遺産を相続させることができます。
けれど遺言書にそう書かれていたとしてもその遺産について相続したくない人も中にはいます。
法定相続人が遺言書で指定された相続を放棄したい場合には、相続放棄の手続きをする必要があります。
けれど相続放棄というのは遺産を引き継ぐ権利を完全に放棄する手続きです。
遺言書に書かれた特定の遺産の引き継ぎだけに対して相続放棄する事は出来ないのでそこは気をつけたいです。
例えば、もし自分の遺言書で指定された遺産が不動産であり、それはいらないが預貯金の遺産は欲しいと思ってもそれは出来ないのです。
遺言書の指定した相続が不満なら放棄はできますが、全ての遺産に対して相続する権利を失う事は覚えておきたいです。
相続放棄の手続きは被相続人の最期の住所地を管轄する家庭裁判所で行います。
相続放棄の申述書、被相続人の住民票の除票、相続放棄する人の戸籍謄本、収入印紙800円分、連絡用郵便切手を家庭裁判所に提出します。
その後は家庭裁判所から照会書が届くので回答して送ります。
家庭裁判所から放棄の意思を確認して通知書が届けば放棄の手続きが完了です。
遺言書に書かれた相続を放棄するだけでもこれだけの手続きが必要なのです。